お酒の席で信頼を築く飲みニケーション術
「今度の接待、幹事やってくれる?」
上司からそう言われて、内心ひやりとした経験はありませんか?
お店選び、席次、乾杯のタイミング、上司と取引先の間でどう立ち回るか。
誰も教えてくれないのに、できて当たり前だと思われている。
私のところに研修のご依頼をくださる企業のご担当者から、
若手社員のこうした戸惑いについてご相談をいただくことがあります。
私は北海道で人材育成コンサルタントとして研修・セミナーを行う一方、
2008年に旭川でバーを開き、いまも飲食店経営を続けています。
カウンターの内側から数え切れないほどの「お酒の席」を見てきた立場から、
今日は飲みニケーションについてお話ししたいと思います。
飲みニケーションは「飲む」ためのものではない
私は飲みニケーションを「お酒を飲む技術」だとは考えていません。
飲みニケーションとは、お酒の席という場を使って、
普段の業務では見えない相手の人柄や考えを知り、
信頼関係を築いていくコミュニケーションのことです。
主役はお酒ではなく、あくまで人と人との関係です。
「飲み会は苦手だから」と距離を置く方は少なくありません。
けれども私が店で見てきた限り、お酒に強い方が場を制しているわけではないのです。
むしろお酒が飲めなくても、相手の話をよく聴き、頃合いを見て場を動かせる方のほうが、
確実に信頼を集めています。
そんな私も下戸(げこ)と呼ばれるほど、お酒の弱いラウンジのママなのです。
私は医療機関での研究職・秘書職を経て、富士ゼロックスやセディナで営業職を、
日本経済新聞社で記者アシスタントを経験しました。
業種も社風もまるで違う組織を渡り歩いて痛感したのは、
どの現場でも最後にものを言うのは
「個の力」と「人と人とのつながり」だということです。
飲みニケーションは、そのつながりを育てる場のひとつです。
接待の幹事、成否は始まる前に半分決まっている接待で
いちばん多い失敗はどこで起きるか。
それは当日ではなく、その前の準備段階です。
お店を予約するとき、参加者の顔ぶれを思い浮かべているでしょうか。
苦手な食材はないか、お酒を飲まない方はいるか、駅からの距離はどうか。
席次はどう組むのか。
私が幹事の心得としてお伝えしているのは、当日に気を利かせるのではなく、
当日に気を利かせなくて済むところまで事前に整えておく、という考え方です。
これは私が店を営んでいる側だからこそ、はっきり申し上げられます。
予約の段階で
「今日は大事なお客様をお迎えするので」
と一言添えてくださる幹事の方の会は、私たち店側の動きも変わります。
飲み物の出すタイミング、料理を運ぶ間合い、声のかけ方。
店を味方につけられるかどうかで、場の空気は本当に変わるのです。
幹事は接待の裏方だと思われがちですが、私はむしろ、
その日いちばん場をコントロールできる立場だと考えています。
上司との席で意識したい距離のとり方
「上司にどう接すればいいのかわからない…。」
これは飲み会マナー講座でも本当によく出てくるお声です。
お酒が入ると、距離が縮まる方向にも、縮まりすぎる方向にも振れます。
ここで大切なのは、丁寧さを崩さないまま、堅さだけをほどくことです。
敬語をやめる必要はありません。聴く姿勢を変えるだけで、相手は
「この人には話せる」と感じてくださいます。
私がお店で意識してきたのは、話題の選び方です。
相手が話したいことと、こちらが聞きたいことは違います。
臨機応変に会話を運び、その場に合う話題を選ぶ。
この感覚は、頭で覚えるものではなく、
場数で身につくものだと私は思っています。
だからこそ、私の研修にはマニュアルがありません。
企業の業種や社内風土、抱えている課題に合わせて、
その都度カリキュラムを組み立てています。
飲み会マナーの講座も同じで、営業職の方と医療現場の方とでは、
必要になる立ち回りがまるで違うからです。
バーのカウンターは、人が育つ場所でもある私のお店では、
これまで多くの大学生をアルバイトとして採用してきました。
もてなしの精神、礼儀作法、初対面の方との対話力。
社会に出る前に身につけておいてほしいことを、
現場で覚えてもらう場としてお店を使ってきました。
人材育成の会社を立ち上げたのは2012年ですが、
その原点は間違いなくカウンターの中にあります。
バーもセミナーも、人を育てる、人と人をつなぐという点で私は同じだと考えています。
会社勤めの頃に培った人脈を自分だけのものにせず、
多くの人と一緒に輪を広げていきたい、
そんな思いから2008年に店を開きました。
こうした経験をもとに、
企業・団体向けに「ママが教える飲み会マナー講座・接待幹事養成研修」も行っています。
関東電力総連女性委員会様・日清医療食品株式会社様では
「宴会マナー・飲みニケーション講座」を担当させていただきました。
【飲み会マナー・飲み二ケーション講座関連記事】
お酒の場のスキルは、教わる機会がないだけ。
ビジネスマナー研修は多くの会社で実施されていますが、
お酒の席の作法まで踏み込んで教える機会は、
ほとんど用意されていないのが実情ではないでしょうか。
けれども実際には、その場での立ち居振る舞いが取引の行方や社内での評価を左右することがあります。
教わっていないのに、できて当たり前とされる。
ここに一番のギャップがあると私は感じています。
オンラインでのやり取りが増え、リアルな接点が減った今だからこそ、
直接顔を合わせる時間の価値は上がっています。
時代とともに人との関わり方は変わります。
常に「どうすればいいのか」を、受講される皆さんと一緒に考え、
より良い答えを導き出していきたいと思っています。
【まとめ】
飲みニケーションは、お酒に強いかどうかではなく、
相手を思いやる準備と聴く姿勢で決まるもの。
誰も教えてくれないからこそ、学べば必ず差がつく力だと私は思っています。
【こんな方はご相談ください】
・接待や社内の飲み会で幹事を任され、進め方に不安がある方
・若手社員にお酒の場でのマナーを教える機会をつくりたいご担当者
・上司/取引先との関係づくりに苦手意識をお持ちの方
研修・セミナーは北海道札幌市を拠点に、ご依頼に応じて
全国出張・オンラインでも対応しています。
飲み会マナーや接待幹事の研修についてのご相談は、
株式会社JBMEnterprise(https://jbmjinzai.com/)までお気軽にお寄せください。

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